沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



「姫野……」


「はい」


「一つだけ……聞いてもいい?」


「あっ、うん」


「今日……来て良かったって思ってる?」



瞳を弱らせながら、そんな甘い声出さないで。

どんどん、東条くんのことを好きになちゃうから。



「……思ってるよ」



ドキドキしすぎて、東条くんに話しかけられなかったけれど。

東条くんの隣で花火を見ているだけで、ものすごく幸せだったから。




「東条くんも……来て良かったって思ってる?」



私の問いに応えぬまま、東条君が私の隣に腰を下ろした。


座席に乗せたままの、私の右手。

ゴツゴツした男らしい手のひらが、私の手を優しく包み込んでくる。



「つまらなかったら、俺は今、オマエの隣にいない」



瞳に甘さを溶かして見つめてくるの、本当にやめて欲しい。

東条くんへの恋心、募りすぎてどうにかなってしまいそう。