沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



ついさっきまで、勝手に言葉があふれ出てきたのに……


私の脳みそ、ポンコツなのかな?


何を言っているのか、わからなくなっちゃった。

「えっと……あの……」と、言葉がと途切れてしまう。



明らかに、てんぱっている私。


目を左右に泳がせ、肩なんてブルブルって震えだしちゃって。

驚いたように目を見開いている東条くんと視線が絡んでしまい、余計にアタフタが強まっちゃった。



恋愛経験のない私が、キャパ以上に頑張ってしゃべりかけちゃったせいだよね。


とりあえず黙っておこう。

観覧車が地上に着くまで、ずっと。



唇をギュッと閉じ、うつむく私。

その時、観覧車がちょっとだけ傾いた。


見上げた私の瞳に写るのは、私の目の前に立つ東条くん。

挑発的なほど真っ赤な浴衣に、ワイルドに波打つ黒髪がマッチして、魔王って思うくらい男らしいんだけど。


なんで、そんな表情をしているの?


恥ずかしそうに口元を手で隠し、東条くんは顔を赤らめている。