沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



「もうすぐ……頂上だね……」


「……ああ」



ひゃっ。

会話が終わっちゃった。


東条くんは相変わらず、私と反対の窓から外を眺めているし。


えっと、えっと……

次の会話は……



「花火綺麗だったね。誘ってくれてありがとう。私、市の花火大会に行けなくなっちゃって。バイトが入っちゃったんだけど。だらか今年は、浴衣を着ることもないかなって諦めてたんだ」



ドキドキが限界地を超えたせいで、今度は言葉が止まらなくなっちゃった。

私って極端すぎ。



「だから東条くんに花火大会に誘ってもらったこと、本当に嬉しかったよ。たこ焼きもおいしかったね。大きいタコが入ってて。グルグルウインナーもりんご飴もおいしくて……それから……えっと……」