沼甘総長は、左手の薬指を独占したい




観覧車がゆっくりゆっくりと上がっていく。


相変わらず私たちは、言葉を交わさない。

お互い反対の窓から、地上の遊園地のネオンライトをボーっと見つめているだけ。



ここは夜の天空。

誰にも邪魔されない観覧車の中。


ベンチに座って花火を見ていた時よりも

心臓がキュンキュンと暴れてしまうのは


『夜の密室に二人だけ』


この状況に、私のハートが刺激されすぎてしまうから。



心臓のバクバクで目が回りそう。


観覧車の中で倒れたら、東条くんに迷惑がかかっちゃうよね?


何かしゃべって、甘くて重いこの空気を一新させたいな。

えっと……