沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



「姫野、それ無意識?」


「えっ?」


「素で可愛さ盛るとか、ほんとやめて欲しい」


「あの……言ってる意味が……」


「俺の理性、吹っ飛びそうだから」



ひぃえぇぇぇ。



お互い小プールの前にしゃがみ込んだ状態で

横に並ぶ東条くんに見つめられているんですけど。


しかもオスっぽい、色っぽい瞳で。



「女を喜ばせたいって思ったの、姫野が初めてだからな」



東条くんはふんわりと微笑んで、私の頭をポンポンすると

真剣な顔で、ヨーヨーを吊り上げた。


しかも2個。

赤とピンクのヨーヨーを。



「はい、赤いヨーヨー」


「ありがとう」


でも……


「ねぇ、東条くん」


「何?」


「交換しようか?」


「は?」


「私が欲しいヨーヨーを狙ったら、ピンクのヨーヨーも取れちゃったんでしょ? 東条くん、ピンクより赤の方が好きだよね?」



ピンクのものを持つのが恥ずかしいって男の子も、結構いるみたいだし。