沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



水の流れが速すぎて、輪っかに針金が入れられない。


また入らなかった。

今度もだ。



そんなことを繰り返しているうちに……チーン。


別のヨーヨーのゴムに針金が引っかかって、吊り上げる前に針金が水の中に沈んでしまいました。



ごめんなさい。

ヨーヨー釣りをなめていました。

小1の(あゆむ)でも2,3個とれちゃうくらい簡単な、おこちゃまのお遊びだって。



お財布を開け、小銭を手に握りしめる。

もう一度チャレンジしよう。

どうしても、赤いヨーヨーが欲しいから。



「すいません、もう一回……」と囁く私の口の前に、東条くんが手をかざした。



「姫野、待って」


「えっ?」


「何色のヨーヨーが欲しい?」


「赤……だけど……」


「なんで?」