それじゃ、意味がないんだよ。
夏祭りに誘ってくれてありがとう。
たこ焼きとかを買ってくれてありがとう。
怖い人から、助けてくれてありがとう。
伝えきれない感謝の気持ちを、ちゃんと形にして届けたいんだ。
「お願い、東条くん。ここは私に払わせて」
「でも」
東条くんは、頑固だなぁ。
こんな手は使いたくなかったけど……
「それが嫌なら、私、帰っちゃうからね」
にこっと笑いながら脅してみた。
東条くんに、嫌われたらどうしよう……
心の中では、かなりビビりながら。
「じゃあ、ここは姫野にお願いする」
良かったぁ。
作戦は成功したみたい。



