沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



それじゃ、意味がないんだよ。


夏祭りに誘ってくれてありがとう。

たこ焼きとかを買ってくれてありがとう。

怖い人から、助けてくれてありがとう。


伝えきれない感謝の気持ちを、ちゃんと形にして届けたいんだ。



「お願い、東条くん。ここは私に払わせて」


「でも」



東条くんは、頑固だなぁ。

こんな手は使いたくなかったけど……



「それが嫌なら、私、帰っちゃうからね」



にこっと笑いながら脅してみた。


東条くんに、嫌われたらどうしよう……

心の中では、かなりビビりながら。



「じゃあ、ここは姫野にお願いする」



良かったぁ。

作戦は成功したみたい。