沼甘総長は、左手の薬指を独占したい


それから

夜の遊園地に足を踏み入れた私たち。


いつのまにか空は真っ暗で。

アトラクションごとに彩られたネオンライトや、ずらっと並んだ出店の提灯の明かりが際立ち、園内は幻想的な雰囲気に。



ずっと私の心臓が休まらないのは、右手に感じる温もりのせい。


ドキドキキュンキュンに耐えられなくて、私はずっと黙ったままなんだけど。

口を開かないのは、東条くんも一緒。

遊園地の入り口ゲートをくぐってから、私たちは言葉を発していない。

一言も。



お互い無言のままで。

視線すら交わらない状態で。

お互いに反対側の出店を見ながら、もくもくと歩いている。