はぁぁぁぁ、良かったぁ。
お兄さんの姿が見えなくなって、私は安堵のため息が止まらない。
これで野いちご学園の生徒が、危険な目に合うことはない。
あのお兄さんから、しつこく迫られることはもうなさそうだし。
それもこれも、東条くんのおかげだね。
「あの……東条くん……」
ちゃんとお礼を伝えたい。
心の中で膨れ上がっている、東条くんへの感謝の気持ち。
全部全部、ちゃんと届けたい。
そう思ったのに……
「悪かったな。怖い思いさせて」
目の前に立つ東条くんは、なぜか照れ顔で。
私から目をそらしながら、頭の後ろを掻いていて。
「二度と怖い思いさせたくないから、手、握っててやる」
恥ずかしそうに、左手を出してきたんだもん。



