沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



「姫野を今すぐ離せ」


「そんな口きいていいの? 高校生のガキに負けたことは一度もないくらい、強いよ俺」


「悪いけど、あんたを地獄に突き落とす自信があるんだけど」


「女にいいところを見せたいっていう、男子高校生の幼稚なプライドが沸き上がっちゃったわけね。俺を敵に回すと、痛い目見ちゃうのに」



「アハハ~、そうかよ。それは期待しちゃうなぁ」


と、高笑いをした東条君は


「最近、俺の周りはお行儀のいい奴らが多くてさ。派手に暴れたくてウズウズしてたんだ。あんた、俺と手合わせしてよ」


喧嘩の準備でもするかのよう。

両指を絡め、関節をボキボキと鳴らし始めた。



「高校生のお子ちゃまが俺に勝てるって、本気で夢見ちゃってるわけ? 笑える。痛いよ、その妄想」


「悪いけど。あんたを笑わせる隙すら、与えてやるつもりねーから」