私の、に力を込めてモニカに言うが。
 それは自分にも言い聞かせるため。
 倉庫の中に入っていった、ヴィオン師匠も戻ってきていない。
 あんな3発も続いた爆発の中心に居て、ふたり(とあの狂人)は無事なのだろうか。


 魔法士達は、倉庫の中に飛び込むこと無く、周囲の被害状況の把握に走り回っていて、端の建物から魔法で破壊箇所の修復作業にかかるのが見えた。
 セントラル大通りからも離れていない場所の、こんなに大きな爆発なのに、通行人の被害が無かったり、野次馬が集まって来ないことが不思議で。


 祖父に聞いたら『3年先取り』の場所を祖父が師匠に伝えたところ、直ぐにその場でオルとふたりで、一帯に結界を張ったのだと言う。

 それはここウェアハウス通りを通っているつもりで大きく迂回しているのに、本人にはその意識はなくて、通った記憶が残る、という高度なものらしい。


「お前の魔法士は想像していたより……
 王族の魔法士のレベルは底が知れん」 


 底が知れん、と言った祖父の表情は。
 以前邸の第3応接室で、時戻しをした私を認めた時に見せた表情に似ていた。