「来週に変更されまして。
 今日はお友達をお招きになって、昼食会をされています」


 お友達を招いて昼食会!
 これまで1度も、お茶会さえ開いていなかったのに?
 第1土曜日が恒例なのに今週の慰問を来週に変更したのは、私を孤児院に行かせたくないからか。


 自分の王国に侵入させたくないんだ。
 母のケーキで牙城が崩れたまではいかないにしても、少しは楔が打てたかな。
 自分の力で出来ないのが悔しいけれど、私は勝ち目の無いものに手を出さない狡い女なんだ。


 いいわ、そう来るなら、これから侵犯してやる。
 聖女の取り巻きが集まったランチ会にね。
 オルから褒められた? 良く回る口でね。



 ◇◇◇


「昼食会と言っても、皆さんで持ち寄って、おしゃべりしているだけよ。
 若いお嬢さん達が集まるのは、華やかでいいわね!」

 母が言うには、モニカが主催した昼食会と言うわけではなく、クレイトンの中等学校を卒業したお友達同士で、順番に場所を提供して持ち寄り会をしていて、たまたま今回がモニカの順番だったらしい。