「俺の忘れ物だ」
「そうですか、どうぞ」
会話もあまりしたくないので、素直にハンカチを差し出した。
前回は自己紹介して、アピールしたような気がする。
だけど、今回は名前なんか絶対に言わない。
「名前は?」
そのまま席に戻ろうとしたら、また腕を掴まれた。
「最近、何度もその顔を見るな、君の名前は?」
周囲がざわざわし出したのに、先生は何も言わずに、にやにやしている。
この先生はこんな人じゃなかったような……
「授業始まるんだろ、早く言えよ」
王子様は偉そうだ。
自分が命じたら、何でも通ると思っている。
前回のシドニーは表面上だけでも、もう少しマシだった。
本当は言いたくないし、腕を振り払いたかったが。
なんとなく周りから『どうでもいいから早く言えよ』と、シドニーと同じ圧をかけられている様な気がして。
「キャンベルです」
「ファーストネームは?」
「(呼ばないくせに) お聞かせする程の大した名前ではありません」
「ふーん、キャンベルか」
それだけ言うと、パッと腕を放されたから、その勢いで身体のバランスが崩れて少しよろめいてしまった。
「トロいな」
「そうですか、どうぞ」
会話もあまりしたくないので、素直にハンカチを差し出した。
前回は自己紹介して、アピールしたような気がする。
だけど、今回は名前なんか絶対に言わない。
「名前は?」
そのまま席に戻ろうとしたら、また腕を掴まれた。
「最近、何度もその顔を見るな、君の名前は?」
周囲がざわざわし出したのに、先生は何も言わずに、にやにやしている。
この先生はこんな人じゃなかったような……
「授業始まるんだろ、早く言えよ」
王子様は偉そうだ。
自分が命じたら、何でも通ると思っている。
前回のシドニーは表面上だけでも、もう少しマシだった。
本当は言いたくないし、腕を振り払いたかったが。
なんとなく周りから『どうでもいいから早く言えよ』と、シドニーと同じ圧をかけられている様な気がして。
「キャンベルです」
「ファーストネームは?」
「(呼ばないくせに) お聞かせする程の大した名前ではありません」
「ふーん、キャンベルか」
それだけ言うと、パッと腕を放されたから、その勢いで身体のバランスが崩れて少しよろめいてしまった。
「トロいな」