「もっと早く言えばよかった,いっそ隠していればよかった。そんなのの繰り返し。恋愛も人付き合いも,深くはしたくないと思ってたのに」
そこに踏み込んできたのがお姉ちゃんだったと言う。
ロマンティックとも,なんとも言えない話だった。
まるで私の過去を,スプーンで抉ったみたいな話。
「暇だーって騒いでは菓子広げて,こんな妹なんだけどどうしたらいいと思う? ってそればっかり。なんで俺に聞くんだよと思ってたけど,まさか似てると思われてたとはな」
こんなチビに,と続きそうで。
私は鋭く目を合わせる。
高峰さんは気にも止めなかった。
って,どうしたらって……なに?
私実はそんな問題児なの?!
「そんで無駄話に付き合ってる間に,絆されたんだよなぁ。椛,妹の事ばっかりで,俺なんか見てなかったし。それが最初かな」
終わりを見計らって,私は口を挟んだ。



