「俺，ずっと好きな女子がいたんだよ」
おおっと？
これは私が聞いていい話？
お姉ちゃんは知ってるやつ？
話のは入りからキョドってしまう。
わざわざ持ち出してくる程だから，その想いも重たいのだろうと思ってしまった。
私はストップを今ならかけられると迷う。
「そいつもうどうなってんのかも分かんなくてさ。でも俺が周りごと不幸にしたのは間違いなくて，それなのにずっと好きで忘れられなかったんだ」
私は口を閉ざした。
どうしたらいいのか分からないと言うように困った顔をした高峯さんにかけられる言葉など，思い付きはしなかった。
一体何をしてしまえば，何を手のひらから奪われたら，こんな悲しい表情が出来るようになるんだろう。
ざわりと騒いだ胸は，とうとう高峯さんのための言葉を見つけ出せはしない。
