17歳の,7月7日。

7が3つも揃った日の



『話したいことがあるんだ』



5時15分,待ち合わせた帰り道。

好きだったその人の言葉を聞かないまま……。

私は彼と共に,事故に巻き込まれ死亡した。

何の,話だったんだろう……

半分分かってて,半分違うかもしれないと言う自己防衛。

せめて,その続きを聞いていたなら。

今の私も,もう少し違う私だったのかもしれないと。

私は,思い出しては何も書けないでいる短冊に,透明なインクを落とした。

この残酷な奇跡は,一体誰の願いを叶えたんだろう。

秘めた想いを,叶わぬ願いを,人は皆未来に託すのに。

私だけは,過去を振り返る。