夕方、仕事が終わって遠藤先生と美波先生と間柴先生と一緒に近くの飲み屋に行く。

居酒屋に入る前に柊君に一応メールを入れておいた。
「お酒は飲まないように。」
と忠告メールが届いて思わず苦笑いする。

お店に通され4人でテーブル席に着く。

「私、普段からお酒飲まないので居酒屋って初めてです。」

「えっ⁉︎」美波と間柴同時にびっくりする。

「花ちゃんって箱入りなの？学生の時に飲み会とか行かなかった？」
信じられないと言うふうに、美波先生が聞いてくる。

「えっと、バイト三昧の毎日だったので…サークルとかにも入ってなくて…変ですか？」

「変と言うか、今時珍しいなと思って。
まぁ、ハイスペック彼氏が安い居酒屋なんか連れてかないかぁ〜。」

柊君がどうのと言うよりは、お酒が余り飲めない私の問題だと思うけど…。

「居酒屋デートなんてしないでしょ？普段からすっごく良い所でお食事してそう。」

「全然です、定食屋さんとか普通に行きますよ。」

「へぇー、そうなの。でも、牛丼屋とかファミレスとかは行かなそう。」

「…ファミレスは行った事ないですね。逆に行ってみたいですけど。」

これは、世間体を重んじる一橋家の事もあって行けないんだけなんだけど…と頭で思いながら、言葉には出来ずに作り笑いするしか無い。

「えっ⁉︎花先生って彼氏いるんだ！」

遠藤先生が1人びっくりしている。

そんなに私、独り者っぽいのかなぁと内心がっかりしてしまう。

「知らなかったんですか？
花ちゃん付き合って3年のハイスペック彼氏がいるんですよ。私この目でお会いしてるので、確かです。」

美波先生が張り切って遠藤先生に教えている。