翌朝、まだお腹の張りが引かない花は内診をする。
子宮口の開きが前より広がったようで、トイレ以外は歩かない様に言い渡された。

それでも、昨日試合を観に行った事に後悔は無い。
壁際に飾られたトロフィーを見ながら花は思う。

柊生は明け方出張で早く出かけて行った。

お昼過ぎ、お腹に痛みが走る。
もしかして…花は少し不安に思い看護師を呼ぶ。

「花さん、軽い陣痛が始まったみたいです。これ以上お腹に留めておくのも大変なので、前倒しして、今日中に帝王切開で取り出した方が良いと判断しました。
旦那様は帰って来れるかしら?」

女医からそう言われて、柊生の今日の予定を確認するため秘書の永井に電話する。

「お世話になります、一橋です。
主人がいつもお世話になっております。」

早速予定を聞くと、15時には会社に戻るとの事で、早めに病院へ行けるように調整します。と言ってくれた。