愛する彼女の生命を繋ぎ止める細い糸が切れかかっている。


限界が近いと悟った。


瞬間、少女の頬に涙が落ちた。



「ど、したの…?そんなつら、そうな顔して…。
平気。こんなの、全然。
ああ、でも悔いが残る……な…。
貴方を側で、もう…見られないこと…。
すごく、悲しい…の」


青年の頬を撫で、愛おしげに見つめる。



泣きたいけどもう、泣けない。


そんな力はどこにも残っていなかった。



「ねえ、泣かないで…?
大丈夫、大丈夫…だか、ら。

私、また貴方に…会いに、行く…から。
弱い…貴方を一人にした、ら……死んでも、安心…できない……でしょ?

どれだけ経って、も。
私…は、貴方に会いに……行く。

だからきっと……探して…。
そしてまた、巡り会えたら、いい…のに…。

ねぇ、約束……して、ね」


「約束、する。絶対見つけて、もう離さない。
だから今は眠れ」