次の日の朝
海斗はソファで寝落ちをしていた

「...海斗」

1日ゆっくりしていたら
昨日のモヤモヤが落ち着いた

なんでシャントを潰すようなことしちゃったのか

なんで海斗も無視して傷つけちゃったのか...

わからない。

気づいたら寝てる海斗に声をかけていた

「...すず?起きた?おはよう」

海斗はあくびをしながら体を起こした

「本当に仕事行かないの?」

「おう、今日は休みもらったから1日ゆっくりしよう。あっ透析はしよう。昨日してないし。いい?」

「仕事行ってもいいんだよ。
ごめんね。昨日無視しちゃって」

「じゃあなんでそんなことしたのか理由を聞きたい」

そうだよね。
わたしもあんまりわからないんだよね。
なんであんなことしたんだろう。

「私もわからない。」

「買い物に出た時からおかしかったぞ」

「なんか仕事してる海斗に嫉妬しちゃって。昨日若い女の子と歩いてたの見えちゃって」

「あー、いとこだよいとこ。」

「えっ?
楽しそうに話してた子?」

「母さんの妹の娘だ。
留学から帰ってきて久しぶりに会ったから院内のカフェでちょっと話してた」

そうだったんだ...
患者でもなかった

「なに?嫉妬したの。それでシャント潰そうと思ったの?」

「...」

「ははっ、かわいいな、すず。」

「...ごめん」

「心配だよな。
大丈夫。俺はすずしか興味ない。
すずが大好きだ。」

「すずも」

「でもシャントせっかく入れたんだから潰さない。」

「ごめん...なさい」

「よし、俺も産休育休とろう!
すずの心と身体のケアに徹する!」

「ダメだよ...大好きな仕事でしょ」

「すずも大好きな仕事、産休で今我慢してるでしょ。一緒だよ。出産終わって落ち着いたらまたお互いまた好きな仕事始めよう」


それから海斗は仕事を休み
昼間はずっと私のそばにいてくれた。
毎日の透析は続いたけど
透析中も一緒にいてくれる分
副作用にも耐えてだんだん時間が伸びて
たまに4時間耐えることもできた。

おかげで腎臓も落ちついていて

いざ出産が間近になった。