木目の、少し古いテーブルの上にはほこほこと湯気のたつ乳白色のシチュー。
それから残り野菜のサラダと、昨日買ったパン。
それに新鮮なミルクを添えて、エリナは台所に置かれた小さな箱を椅子代わりにして食卓に着く。
「僕がそちらに」
「クーじゃ箱が壊れちゃうわ。重そうだもの。それにあなた、一応お客様ですもからね」
「ですが……」
「ほら、冷めちゃうから。席について」
「……はい」
クーを言いくるめて、エリナは両手を祈りの形に組む。
簡単な食前の祈りを捧げて、木の匙を手にとった。
ひと匙口に含んで咀嚼する。うん、おいしい。



