竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~


「ええと、エリナさん。このコップはどこに置けば?」
「ミルクを入れるわ。今日は安く譲ってもらったの。かして」
「ミルク」
「牛の乳よ。クー、あなた、もしかして知らないの?」
「いえ……その、実は、飲んだことはたぶん、あるのですが、それがミルクだと認識して飲んだことはないといいますか」
「食に興味がなさすぎるわ……。私のシチューで同じことしたら怒るわよ」

 腰に手を当てて、ぷう、と頬を膨らませ、怒るふりをする。
 エリナのそんな様子に、一瞬、あっけにとられたクーは、一拍ののち、ふは、と笑った。

「肝に銘じます。エリナさん」
「よしよし、いい子」