エリスティナの今日の食事は離宮の端に拵えた野菜畑から取ってきた野菜の……と言ってもそんなに立派なものでもなく、言ってしまえば屑野菜でスープを作る。

 痩せたニンジンの皮を剥き、細かく刻む。葉はサラダにするからおいておいて、先日収穫して干しておいた玉ねぎも皮むきして刻み、鍋に放り込んだ。

 塩も胡椒も貴重品だ。だからこれ以上の味付けはない。ドレッシングなんて贅沢品もない。

 きっと家畜のほうがまだましな食事をしている。
 それはわかっているのだけれど、これ以上に調理のしようがないからどうしようもない。

 というわけで、エリスティナの今日の昼食はニンジンと玉ねぎのスープとニンジンの葉のサラダ、という名前をつけただけの具入りのお湯と葉っぱ、それからずっととっておいたためにかちんこちんになってしまった古いパンだった。