手のひらにころん、と転がしたペンダントトップは、初夏の日の光を受けてきらきらと輝いている。
 半ば呆然とその光景を見たあと、エリナはクーと手元に交互に視線をやった。
 クーが言葉をつづける。

「あなたを守るために、できることは全部したくて。逆鱗を加工させて、持ち歩きやすいようにしたんです」

 クーは、そう言って、緑色の美しい目を伏せた。

「番、という関係を強化するものだと、あなたが嫌がるかもしれない、と思ったんですけれど……。それでも、持っていてほしくて」
「逆鱗は、一枚しかないって聞いたわ」
「エリーのためなら貴重でもなんでもありません。そもそも、逆鱗は番のためにあるものですし」
「そう……」