「状況を整理しようか」

 あくる日、クリスの執務室でエルフリートが口火を切った。
 例のカヤの姿をした呪いの主についての確認をしたい、ということだった。
 クリスの椅子にもたれかかり、思い出すように目を上向ける。

「私は前王リーハの番のことももちろん知っているが、墓には死体をどうにかする呪術は使用されてはいなかった。痕跡を消しているのかもしれないが」
「精霊竜の目から逃れられる呪い、などとあったら見てみたいものだ」
「そうだろうね。少なくとも、術者が私より上位存在だというのは考えにくい。……というか、さ、前から気になってたんだけど、君、番様と他人じゃ態度が違いすぎないかい?」

 エルフリートは呆れたように言った。
 クリスはきょとんと目を瞬く。