「魔力のコントロールは得意なんです」
「ふうん。難しいって聞くわよ?クー、がんばったのねえ」

 エリナに褒められていると、エリスティナに褒められているような心地になる。
 クリスは錯覚だとわかっていても、それが嬉しかった。
 不意に、エリナの手がクリスの頭上に伸びる。

 わしゃわしゃと撫でられたその行為に、クリスは目を見開いた。
 こっそりと上目遣いで見たエリナも不思議そうにしていて。
 ああ、と思った。

 エリスティナは、確かにここにいる。エリナとして、生きなおして。
 けれど、エリスティナという存在が消えたわけではないのだ。
 その在り方が同じで、それが番というつながりによって、エリナの体に発露した。