全員揃ったところで、土方さんの号令により朝餉が始まった。
「うめぇええ!!!」
「美味しすぎる…!」
「お袋の味だ…っ!!!」
広間は、阿鼻叫喚に包まれた。
おぉ、反応良すぎませんか?(笑)
隊士達の中には、目元を押さえて泣き出す人までいた。
僕はというと、昨日と同じで、爆速でご飯を掻き込むソウ君と斎藤さんの間に座っていた。
『あっはっはー、崇めてもいいよ?』
皆に大げさに褒められ、照れ隠しに態度を大きくしたら。
「アキ様ぁあ!!」
アキ様!?
「女神様ぁああ!」
女神って(笑)
一応男なんですけど。
更に褒め言葉が増える結果になった。
いや、なんでやねん! (動揺から訛りが出た)
「やっぱりアンタの作る飯はうめぇな」
味噌汁を啜りながらトシくんが僅かに笑みを浮かべ、染み染みと言う。
普段口が悪いトシくんでさえ、素直に褒めてくれたのは結構驚いた。
僕が居候してた時は褒め言葉なんて滅多に言ってくれなかったのに!
ふふふ、嬉しいなぁ。
ソウ君は、箸を止めると、トシくんを思い切り睨みつけた。
「土方さん、そんな在り来りな感想しか言えないなんて舌馬鹿なんですか?
国の宝でしょう、この人のご飯は」
「はぁ?何キレてんだよ、総司」
トシくんはソウ君を変なものでも見るかのような目を向けた。
まぁ、トシくんは一月は僕の料理食べていたから馴染みがあったんだろう。
ソウ君はたまにお呼ばれして、食べに来るくらいだったからなぁ。
もしかしたら、ソウ君にとって、僕の料理はある種の御馳走だったのかもしれないと思った。
にしても、ソウ君も結構壮大に褒めてくるね、照れるわ。
「久々に食べましたが、やはりアキさんのご飯は格別です」
『そうー?
井上さんと頑張って作った甲斐があったよ』