押してだめなら灰になる!!

なんだ,そんなこと? と私は首をかしげる。



「うん,いいよ。血夜くん,ずっと敬語だし,名前だって私,そうしろなんて一言も……」

「朱鳥」



ねぇ,それ確信犯なの?

絶対今じゃなかった。

私,まだ答えてたのに。

やっぱりだめって,言ってもいい?



「そう呼んだら,勝手にもう自分のだって,心も手も欲が出そうで,今さらなのもあってだめだったんです」

「手……て,今みたいなの?」



それなら,確かに前みたいな関係じゃだめ。



「どうかな,それよりもっと,かもしれないですよ」



早急に離れようとした私を見越してか,同時に血夜くんが力を込めた。



「敬語はいきなりタメじゃ嫌われるかもしれないから,とっさに身に付けたんです。でも,このままの方が朱鳥を大事に出来る気がするので,このままでいいですか?」



距離があって,変。

そう思っていたけど,理由はもっと変だった。

すっかり呼び慣れた様子にも,少し悔しい。

その様子を誤解したのか,血夜くんはまた口を開く。



「それとも朱鳥,朱鳥も僕のこと,血夜って呼び捨てにしてくれる?」