押してだめなら灰になる!!




私は両手で顔を覆った。

本人に確信して聞かれるのがこんなに恥ずかしいことなんて思わなかった。

逆に一切迷いなく言い切った血夜くんは,なんでそんなに平然としているのだろう。

……言ったでしょう?

私,いつも後になってからなの。

そうだって気付くのも,後からだったの。

"最初から"

音もなく,唇だけを小さく動かす。

伝わらなくてもいいと思った。

だけどしっかり読み取ったらしい血夜くんの,息を呑む音が指ごしに聞こえる。

どきどきと,恥ずかしくて心臓が破裂しそうだった。

血夜くんを見たのは,存在を知ったのは。

盛り上がるクラスメートに釣られて目を向けたとき。

だけど,その時どんな感情を抱いたのかは,憶えてもいなくて。

ただ,その時から自然と血夜くんの笑顔が目に留まる様になったのは憶えてる。

2年生になったあの日,至近距離で突然襲った表情に,止めを刺されたと言うことも。