「……僕はいつも,本気ですよ」



もう外へ出る意思はないと見て,私は血夜くんから手を引いた。

含められたものをきちんと受け取ってしまって,気まずさに引いた手で口元を隠す。



「朱鳥さんが止めてくれるってことは,8割位分かってましたけど。片腕灰にする位すれば,朱鳥さんも一瞬くらい気にしてくれるかなって」



なんて真剣で,呑気で,軽薄な言葉。

あんな勢いで飛び出て,片腕だけなんてあり得ないのに。

片腕だけでも大事なのに。

私は,血夜くんが死んじゃうかと思ったのに。



「そうゆうのは……! 一瞬で済むわけ無いんだから……っ。10割信じてから実行してよね……!!!!」



2割残すほど,私はひどいヴァンパイアのもとに産まれてないの。



「あれ。そっち,ですか? 朱鳥さん,こういうの面倒だって,ずるい駆け引きするなって言われるのかと思ってました」