「けど、鈴は若様に会ったことはないの? 同じ学校だって聞いてたけど」
「はい、凰成様とは同じ学校です。ですけど、私は普通クラスに通ってて凰成さまは特別クラスにいらっしゃいますので……」
学校も同じで若さまがいらっしゃるお屋敷で働いているのに不思議だけど、会ったことがない。写真は見たことあるけど。
「そうなんだ。まぁ、だけど一度あってもらおうと思って。だから明日の朝の七時頃に、学校同じなんだから会って一緒に学校にいきましょう」
「い、一緒にですか?」
「えぇ、そうよ。会って同じ場所に行くのにさようならな訳ないでしょ」
えぇー……まじですか。
そんな、私、これから学校で生き残れるか心配になる。だけど、メイド長に言われたら了承するしかない。
「……かしこまりました」
そう言うしかなかった。



