「……鈴愛(りんな)。分かった?」

「は、はい。伯母さ……いえ、メイド長」


 学校が終わり、私は花咲(はなさき)家の大きなお屋敷に行くと小さな部屋に案内される。小さな部屋に入ると、私の伯母さんであるメイド長に説明を受けていた。


「まぁ、鈴愛の仕える若様はお優しいし大丈夫だと思うわ」


 私、彩華(いろか)鈴愛は今日から花咲家でメイド見習いとして働くことが決まっていて今日は初日。働けることが嬉しくて眠れなかったくらいだもん。

 この大きなお屋敷と土地を持っている花咲家は、由緒正しい名家の一つで昔は爵位を賜っていた旧華族であり政治家を多く輩出している家柄で国も動かす大きな権力を持っているお家だ。
 一方で私の家である彩華家は、この花咲家に長年仕えている使用人一族である。

 なぜ一般家庭なのに、花咲家に仕えているのかというと……