「これから、たくさん触れるけど覚悟してね」
「えっ、どういうこと……っ」
「俺の一生の糧になるってこと。まぁ、わかりやすく言えば人生のパートナー……夫婦ってことかな?」
そう言った凰成さまは、私の手の甲に口付けをすると手首にブレスレットをつけた。そして私を抱き上がるとエプロンの後ろでリボン結びをしている結び目を解くと髪のまとめてあるゴムを解きながら凰成さまは紙髪に触れてキスを落とした。
「どうか、俺のそばにいてよ……俺だけの、専属メイドさん」
この時、凰成さまは微笑むだけで血を取り込むことはしなかったが……鏡を見ると首筋に歯型のようなものが付いていてすでに血を吸われていたらしい。
そうして、もう私は凰成さまから逃げることはできないのだと自分の未来を悟った。
だけど、彼の仕草や言葉にキュンキュンとときめいている私が凰成さまに恋心を抱くその日は……きっと近いんだろう。
終.



