「……んっ」 どうしてこうなってるのか、 どうして……私は甘い声を発しているのか。 「凰成(おうせい)さまっ」 「……暴れないで、今、理性保てるの精一杯なんだ」 目の前にいるのは鋭い歯を持ったご主人様、私に牙を向けている。 だけど、それは生きるために必要なモノを得る行為……じゃないと、死んでしまうらしいから。 「……やっと、やっと見つけたんだ。俺の糧を、ね。大丈夫、優しくするから」 そう囁いて、彼は私の首筋に顔を近づけた……