しばらく意味が理解できなかった。
だけどやがて、彼は幽霊で、今は浅見くんの身体を借りてしゃべっているだけなのだと思い出す。
「せっかく会えたのに……」
「貴女が雪子さんの記憶を持っていて、樹君が僕と貴女を仲介してくれる。そもそもこれは、奇跡のような時間だったのですよ。もう十分すぎるぐらいです」
周作は静かに目を閉じる。
本当に本当にお別れなのだと実感してしまう。
「一つ願うとすれば……またいつか同じ時代に生まれ変わって、今この瞬間と同じように、貴女と夜空を見られたら。ただそれだけです」
ええ。今度は同じ時代に生まれ変わりましょう。
そんなわたしの──雪子としての答えは、きっと聞こえていなかっただろうと思う。
「……」
……消えて、しまった。
目を閉じた彼は、またしてもガクンと膝から崩れ落ちそうになる。
反射的にそれを支えると、偶然抱きしめ合うような形になった。
「浅見くん」



