【短】またいつか、同じ夜空を見られたら




思わず息をのんだ。

前世のわたしがずっと聞きたくて、だけど聞けなかった言葉。

そして、その言葉を伝えたかったのは、雪子の方も同じだ。



「──っ、わたしも。わたしもよ。貴方のことがずっと好きだった」



視界が歪む。涙が溢れて止まらなくなっていた。

必死に目をこするわたしの頭を、彼は壊れ物でも扱うような手つきで撫でる。



「これ以上ないぐらい嬉しいお言葉です。だけど、貴女はもう雪子さんじゃない。唯奈さんは唯奈さんの人生を歩まなければいけません」


「んぐ、わかってる、……けど」


「今世の貴女を愛し、幸せにしてくれる人は、きっとすぐ近くにいます」



周作は諭すようにそう言って、夜空を見上げた。

ひゅるひゅると音をたてて細い光の筋が何本も上っていき、一気に開く。花火大会も終盤だ。



「……時間のようですね」


「え」


「もう、未練が無くなってしまいましたから」