ああ、やっぱり。
わたしは浅見くんの言葉を聞いて、ゆるゆると首を振った。
「自力でわたしを守ろうとして失敗した周作の記憶を持っているなら、きっと今のひったくり犯に同じように立ち向かったりしなかった。他の人に助けを求めるはずなの」
違和感は、ずっと付きまとっていた。
「浅見くんは、……周作の生まれ変わりじゃあ、ないよね?」
「っ」
わたしは、浅見くんから見て左上──彼が考え込むときによく見ていた空間に視線をやった。
そして、静かにゆっくりと、確信を持って尋ねる。
「周作は、そこにいるの?」
浅見くんはしばらく何も言わなかった。
だけどやがて、ふぅっと長く息を吐き出すと、小声で「もうバレてるみたいだし、いいっすよね」と呟く。
それからわたしの目をまっすぐ見て──大きくうなずいた。
「……周作さんは、150年もの間あなたを──雪子さんの生まれ変わりを探して、成仏せずこの世に留まり続けていたんだそうです」



