「浅見くん……」
浅見くんは、慌てた様子でわたしの方に駆け寄ってくる。
彼の顔を見た瞬間、涙が一気に溢れ出した。
「ごめん。一人にしてごめん、北村さん」
「……だい、じょうぶ。取り返してくれて、ありがとう」
涙を拭いつつ、どうにかお礼を口にする。
浅見くんはわたしが落ち着くまで、ゆっくり背中をさすってくれた。
その間も、花火の大きな音と、皆の歓声があちらこちらか聞こえてくる。
「……ねえ、浅見くん」
本当は、心のどこかで気付いていた。
その上で気付かないふりをしようとしていたけれど、もう無理だ。
「周作はね、一度した失敗は繰り返さない慎重な人だった」
「うん。そうだね」
「前世で雪子が襲われたとき、周作は自分の力だけで対抗しようとして失敗した。わたしも周作も助からなかった」
「……うん」
「今わたしが遭ったのはただのひったくりだから、状況は大きく違うけど……わたしは重なったよ、前世のわたしが死んでしまったときと」
「っ、それは僕も同じ。だから今回は、絶対に僕の力で守りたいって思って……」



