「あ……」
拒否された。
これは完全に嫌がられた。
ショックで思わず声を漏らせば、浅見くんは気まずそうに目を逸らす。
「ごめん」
「う、ううん。わたしこそ変なこと言って、困らせてごめん」
「いや、違うんだ。手を繋ぐのが嫌だとかそういうことじゃなくて。むしろ僕としては嬉しいぐらいだけど……北村さんが、後悔するから」
「……後悔? どういうこと?」
浅見くんはわたしの問いかけに答えず、しばらく視線を彷徨わせた。
何か、隠し事をするかのように。
そしてそのまま話を逸らしてくる。
「花火、あと三十分ぐらいで始まるね。神社の方が人少なくてちょっと穴場だからそっち行こうか。飲み物買ってくるから、北村さん先に行ってて」
「え、待って……」
呼び止めても、浅見くんの背中はすぐに遠くなって人込みに消える。
どうして?
どうしてわたしから離れようとするの?
「しゅうさく……」
胸の辺りが、ぎゅっと掴まれるみたいに苦しい。



