甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 いたって真剣な眼差しで私を見つめてくる理仁さん。

 その様子から、どれだけ私が危なっかしく見えているのかが容易に分かってしまう。

 そんなにこけそうに見えるのかな、私……。

 なんて思うも、本当にあり得そうな可能性を提示されてしまっているこの状況。

 私も何度もこけたくないし、怪我もしたくない。

 通学路に危ないものはないと言えど、どこで何が起きてしまうかが分からない。

 理仁さんには少し申し訳なくなるけど……ここはお言葉に甘えさせてもらおう。

「あの……それじゃあ、お願いします。」

「ん。」

 理仁さんは小さく頷き、被っていた帽子の位置を軽く調整した。

 ……理仁さん、そこまで私のこと心配なのかな。そんなに安心するような事でもないと思うけどなぁ……。

 私がついそう思ったのは、帽子の隙間から見えた理仁さんの表情が安堵したように笑っているように見えたから。



 その後は結局何もなく、無事学校の校門前に着く事ができた。

「理仁さん、送ってくださってありがとうございますっ。」