甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

「……っ、ごめんなさいっ! 私、勝手に彼女さんなのかなって……」

「だから俺を避けてたのか。」

 その質問には申し訳なさから言葉が詰まって、こくりと首を縦に振る。

 それでも理仁さんには伝わったらしく、さらに抱きしめる腕の力を強めた。

「だったら、勘違いさせないようにはっきり言う。俺は誰よりも、千鶴が好きだ。」

「……わ、たしもっ……理仁さんのこと、大好きですっ……!」

「俺と一緒に、花火大会行ってくれるか?」

「はいっ……!」

 理仁さんが許してくれるのなら、私は理仁さんの隣に居たい。

 そんな気持ちが、伝わるように大きな声で返事をする。

 そしたら理仁さんはさっきよりも嬉しそうに頬を緩め、私を抱きしめる腕を解放した。

 代わりに、左手を差し出される。

「それじゃ、早速行くか。」

「えへへっ……はい!」

 大きくて温かい理仁さんの手に、自分の手を重ねる。

 それと同時にぎゅっと握られて、ふふっと頬が綻んだ。

 遠くからは、小さな花火の音が聞こえている。

 私は幸せな気持ちに包まれながら、理仁さんと一緒にその花火へと少し早足で向かった。

 絶対に握ったこの手を、離したくない――なんて、思いながら。

【FIN】