甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 静かなその空間で、きっぱり口にする。

 ずっとずっと、言えなかった。

 言ってしまったら怜司君の厚意を無下にするようで、恩を仇で返すようで。

 ……だけど、こういうのははっきりしなきゃならない。

 って、どこかで分かっていたから。

「怜司君の気持ちは凄くありがたいし、頼れるものだよ。でも、私はもう甘えられないよ。甘えちゃったら、怜司君にいっぱい迷惑かけちゃうっ……!」

「俺は迷惑だなんて――」

「それでも……!」

 怜司君が迷惑じゃないっていくら思っても、私はどうしても足を引っ張ってしまうだろう。

 どうして怜司君がここまでしてくれるのかは分からないけど、私はもう甘えたくない。

 甘えてしまったら……今度こそ、臆病になってしまうだろうから。

「私は一人で、大丈夫だから……。」

 ……自分一人で、頑張らなきゃならない。

「そんなに……そこまで、千鶴ちゃんの意思は固いんだね。俺じゃ、役不足だった?」

「そういうわけじゃっ……!」

「いいよ、嘘吐かなくて。全部、分かってるから。」