甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 だからと言って、千鶴を怖がらせるような真似だけはしたくない。

 千鶴は自分に向けられる感情には鈍いから、ゆっくりでもいいから好きになってもらう予定だった。

『……千鶴さぁ、何でそんな無自覚なの。』

『えっ? ……り、りひとさっ……んっ。』

 ついさっきの出来事を思い出して、一人はーっと息を吐く。

 やっちまった……何暴走してんだ、俺。

 何も知らない千鶴からしたら、ただただ恐怖だろう。

 すぐにやめたとは言え、千鶴に怪しまれているんじゃないかと不安が募る。

 ……いや、千鶴は鈍感だから大丈夫だ。

 自分自身に言い聞かせるように呟くも、生まれた不安と心配はそう簡単には拭えない。

 それに俺はきっと、どこか調子に乗っていたんだと思う。

 どこか大丈夫だと、驕っていたところがあるんだと思う。

 まさか、千鶴からあんな事言われるなんて思っていなかったから。



《あの、花火大会のことなんですけど……私、行けなくなっちゃったんです。ごめんなさい。》

 少しの不安を抱きながらも日常を送っていたある日、突如として伝えられた断りの言葉。