甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

「どういたしまして。それなら良かったよ。」

「うん。怜司君にお話ししてなかったら、どうすればいいか分かんなくなっちゃってたと思うんだ。」

 一人勝手に空回りしてしまいそうで、怖かった。

 自分がどんな行動を取ったらいいのか分からなくて、途方に暮れてしまいそうだった。

 やっぱり誰かに聞いてもらうって事が、大事なんだなって改めて思った。

「そっか。千鶴ちゃんは相談事とか自分からしないタイプだったから、心配なんだ。」

「え? 心配?」

「だって、千鶴ちゃんって一人で全部溜め込んじゃいそうだし。そうなったら心配だなぁって。」

「う……ごめんね。」

 まさか、もうすでに心配をかけてしまっていたなんて……。

 怜司君は人の感情に敏感なのかな……なんて思いつつ、しゅんと肩を落とす。

 私がそんな反応をしたものだからなのか、怜司君がこう声をかけてきた。

「だから、これからはちゃんと話して。千代河さんに言えない事でも、些細な話でも聞くから。」

「……怜司君に迷惑かけちゃうかも、しれないよ。」