甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

「自分が嫌な性格に見えて、仕方がないんだ。」

 私は、怜司君に思ったままを伝えた。

 そうしていたら自分がどれだけ面倒な人なのかが分かって、自己嫌悪に陥りかける。

 でも、怜司君の言葉ではっとした。

「少なくとも俺は千鶴ちゃんのことを面倒だって思った事はないよ。それはきっと千代河さんもだろうし、千鶴ちゃんが不安がる必要ないんだよ。」

「そう、かな。」

「うん、そうだよ。だからさ、そんな不安そうな表情しないでほしいな。」

 にこっと優しい笑みを浮かべてくれた怜司君に、きゅっと下唇を噛み締める。

 そうしなきゃ、情けなく泣いてしまいそうだったから。

 確かに、私の考え過ぎかもしれない。杞憂かもしれない。

 すぐに割り切る事は多分できないけれど、そう言われるだけで結構楽になった。

 少なくとも、怜司君にはそう見られていないんだって……。

 未だ私の中にある、このふわふわした気持ちは分からないけれど。

 あんまり無理に分かろうとしなくてもいいのかな、って思えた。

「……怜司君、お話聞いてくれてありがとう。すっごく楽になったよ。」