甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 真剣な瞳でそう言ってくる怜司君は、どこか懇願しているようにも見える。

 正直のところ、言ってしまったほうが楽になるかもと思っている自分が居る。

 けどそのせいで怜司君に迷惑かけてしまったらダメだし、これは私一人の問題だから。

「怜司君、私は大丈夫だよ。心配かけちゃってごめんね。」

「……そんな、いかにも困ってますって顔で言われても説得力ないよ。千鶴ちゃんって、隠し事本当苦手だよね。」

「か、隠してなんて……」

「いいんだよ。千鶴ちゃんは迷惑だとかって考えてるんだろうけど、そんなの全然気にしないし。千鶴ちゃんの気持ちが楽になるのなら、言ってほしいけど。」

 怜司君って、すっごく素敵な人だ。

 私に気を遣わせないようにそう言い、にこっと優しい柔らかい笑みを浮かべてくれる。

 怜司君の言う事は理に叶っているし、私だって白黒はっきりつけたい。

「……それじゃあ、聞いてくれる?」

「うん、もちろん。」

 だから、怜司君の優しい言葉に導かれるように口を開いた。

「えっと、実はね――」