甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 き、聞きたい事って?

 さっきまではそんな素振りがなかった為、不思議に思い首を傾げる。

 すると万季ちゃんはふふっと、どこか面白そうに口角を上げて。

「多分、あんたにとっても面白い事になんじゃない?」

 え? 怜司君にとって……?

 万季ちゃんの言っている意味がさっぱり分からず、頭の中にたくさんのはてなが浮かぶ。

 でも尋ねようと口を開きかけた、その時。

「千鶴さ、なーんでそんな恋に悩んでるような乙女の顔してんの。」

「…………へっ!?」

 な、何言ってっ……! しかも、どういう事……!?

 恋に悩んでるような……そ、そんな顔してないのにっ!

「わ、私は恋なんて――」

「じゃあどうして、そーんな図星そうな顔してんのかな~? あたしが言ってるような事じゃないのなら、言えるでしょ?」

「うっ……。」

 あ、悪魔だ……万季ちゃんから悪魔オーラが感じ取れるよっ……!

 けど、悩んでいるこの事を言ってしまえばそれこそ万季ちゃんの思う壺。

 もうすでに壺にはまっている可能性もあるけど、そうすんなり万季ちゃんの言いなりになるわけにはいかない。