甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 でも、そう簡単には思えないよ……。

 理仁さんのことは優しいお隣さんだって思ってるし、これからもそうなんだって思っていたから。

 だから急に好きだって思っても、難しい。

「……理仁さんは、どう思ってるんだろ。」

 私のこと、何て思ってるのかな。

 お隣さん? 後輩?

 思いつくのはこれくらいだけど、どちらも少し不満が残る。

 そんな関係は嫌って言うか、物足りないって言うか……うーん。

 こんなにふわふわして難しい気持ちになった事がないから、どうすればいいのか見当もつかない。

 私って、もしかして面倒な性格?

 ふっとそう考え、結局何も思いつかないままその日は終わった。



 わ、雨降りそうだなぁ……。

 翌日、私は窓の外を見て憂鬱な気分に苛まれた。

 曇り空がどこまでも広がっていて、まるで自分の気持ちを表しているみたい。

 だけど天気予報では、晴れるって言われてるし……傘、どうしようかな。

 一応折り畳み、入れておこうかな。降ってきても困るし。

 はぁ……とため息を零しつつ、スクールバッグにお気に入りの折り畳み傘を入れる。