甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 ……けれど、すっごく嬉しいっ。

「実は私も、理仁さんと花火大会行きたいなぁって思ってて……えへへ、嬉しいですっ。」

 素直な気持ちを口にする。

 以心伝心してるみたいで、理仁さんも同じ事を思ってくれてたんだなって。

 その事についても嬉しくなり、無意識に頬が綻ぶ。

「……千鶴さぁ、何でそんな無自覚なの。」

「えっ? ……り、りひとさっ……んっ。」

 わけの分からない事を言ったと思ったら、理仁さんはこっちに手を伸ばしてきた。

 そのまま私の頬を弱い力で撫で、長い指を私の横紙に絡ませる。

 突然の事だったからまたもや変な声が出てしまい、大きく目を見開いて固まってしまう。

 その時、理仁さんの視線がいつもと違う事に気付いた。

 な、なんだか理仁さんの視線……あ、甘い?

 直感的に思い、急に恥ずかしくなってきて視線を逸らす。

「う、あの……りひと、さん……ちょ、ちょっとだけ、恥ずかしい、です……。」

 どうして“甘い”なんて感じたのかは分からないけど、とりあえずこのドキドキから解放されたい。