甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 ふふっ、やっぱり美味しいなぁ……。

 ココア自体が好きな私だけど、理仁さんの淹れたココアはもっと好き。

 優しくて心までポカポカしてくるような、そんな感じがするから。

「んで、どこが分かんねーんだ。」

「あ、えっと……こ、ここがよく分からなくて……。」

「あぁ、ここは躓きやすいからな。これはな……」

 マグカップを置いて少しした後に本題に入ってくれた理仁さんに、ノートを開きながら教えてもらう。

 最近数学が難しいから、ここの辺りはよく分かんなくなってくるんだよね……。

 だけど、流石理仁さん。問題を見て数秒後、近くのメモ帳に解き方を書き出してくれた。

「多分、こうしたら解けるんじゃね?」

「……ほんとだっ。解けました!」

「ん。他に分からないとこあるか?」

「はい……公式の使いどころとか、いまいち分かっていなくて……。」

 理仁さんの教え方は先生よりも上手で、頭にすぐ入ってくる。

 高校の時も確か片桐先輩と、主席争いをしていたみたいだし。

 頭がいい人って、本当に羨ましいな……私も頭良くなりたいっ。